涼しくなったと思ったら また 暑さが戻ったり

季節は 行きつ戻りつ ゆっくり 移ろいで行くようです

さて 今日の工房は パタ パタ と 土を叩く音がしています

きょうは 「土こね」の様子を ご紹介します

 

土コネ台に乗せた 陶土を 引いたり

押したり しながら

陶土の中に含まれる 空気を抜いたり

土の硬度を 均一になるようにしてゆきます

こねること 数百回 腰が痛くなるくらい 大変な作業です

昔から 一人前の職人になるためには

「土こね3年」と言われていますが

「3年では 覚えきれない

きちんとできるようになるには もっとかかったよ」と

こねた土を ろくろの台にのせながら

夫は そっと つぶやきました

次に パン パン と 土の塊を たたいています

こうして 土を叩き締めながら

ろくろの中心に持って行きます

この塊りの中心から 作品が 生まれ出てきます

最高品質の特上陶石 は 生まれ出るその瞬間から

このように 美しく とても 清らかです

そばで見ていても 「きれいだな~」と 思って見とれてしまいます

少しずつ 形になってゆきます

口の周りを なめし皮で すっと ひと拭きします

縁を締めて 整えます

             最後に 秋のトンボが ちょこんと止まって

出来上がりです

 

どんどん 生まれてきています

とても持ちやすくて 好評のお湯のみですが

ここしばらく 制作していませんでした

20年ほど前でしょうか

F県のお客様 H様から

「息子の結婚が決まり 記念に 両家と息子夫妻に

それぞれに 記念の壺を作ってほしい」と ご注文を頂いたのでした

その折に 一緒にお買い上げいただいた夫婦湯飲み

お写真を送っていただきました

長く ご愛用頂いていたのですね~

ありがたいことです

先日 H様から 久しぶりに お電話があり

「私たちも金婚式を迎えることになりまして

それから 家内の 喜寿のお祝いも兼ねまして

お祝いをしたいので 記念品として

みなさんに お贈りしたいのですが 作っていただけますか」という

ご依頼でした

折々の大切な記念のお品を

我が家に 注文してくださって

光栄なことです

益々 お元気で ご家族のお幸せをお祈りして

一生懸命 制作しております