関東のお住いのSさまご一家とのお付き合いは
かれこれ 30年近くになります
転勤で九州に来られていた折に
我が家にお見えになってからの長いお付き合いです
手造りの器を気に入って頂いて ありがたいことに
毎日 我が家の器を 大切に使っていただいているのです
先日S様から 「この春 高校を卒業した孫が 旅行でそちらに行きますので
立ち寄らせて頂いてよろしいですか?」との連絡が入りました
小さいころに 一度会ったきりの お孫さんのS君は
大きなリックを背負って 笑顔で 我が家にやってきました
九州一円を旅して来られたのですが 鹿児島 熊本 大分 と
ずっと 雨に見舞われて その日も やはり雨でした
夫のろくろ場の様子を 興味深そうに じっと 見入ったり
お出しした 佐賀のお菓子を美味しそうに 頬張ったり
「お昼は何が良いでしょうね?」 と尋ねると
「おばあちゃんから 有田のごどうふを食べておいでと言われました」と
ごどうふを出してもらえるところ・・
近くの 料亭Yに電話を入れたら 「本日お休みです」といわれ
それじゃ と お寿司屋さんにお連れしたら
こちらも 「本日お休み」の札が
何とも 「ついてない人だ」と 内心思いながら
Aさんに立ち寄ったら なんとか 営業中でした
「おいしい」と 食べてもらい ホッとしました
もう一度 お店に戻りたい と言われるので
お連れしたら 携帯を開いて
懐かしい S君のお母さまや 伯母さまが 画面に出てこられ会話が始まります
お母様たちに 言われるとおりに
お店の器や 花入れを映し出しながら
「もう少し 下の方映してみて 」「その横のお皿それそれ」
「そのお茶碗・・・」にぎやかに 実況中継です
「アッ そっち その横のも・・」
おれこれと 迷うお母様に しびれを切らして
「お母さん 電車の時間に間に合わないよ 早く決めて・・」とS君
気づいたときは 電車の出発まで 残り10分
大急ぎで 車に乗ってもらい 駅へ車を走らせます
アッ! 忘れてた!
途中 お豆腐屋さんに立ち寄って
お土産に頼まれていた ごどうふを買わないといけません
お水の中に 浮かんだ ごどうふを 片手に
バタバタ と 駅の階段をのぼり ホームへ
なんとか 滑り込みセーフ
電車の中から 明るい笑顔いっぱいに 手を振って 帰られました
ふふふ・・・ 駆け足でしたけど 思い出に残る 楽しいひと時でした