新年早々の能登半島の地震の発生は
家族団らんで 穏やかに 新年を祝うはずの年の始まりが
重く 辛いものに なってしまいました
我が家も 4日から仕事をはじめ
荷の発送に追われたり
工房の棚を作ったり 忙しくバタバタ動いている時は
よいのですが ふと 手を休めると
何となく 心身重く感じられて なかなか元気が出ませんでした
先日 今年初めての雪が降り 一面 雪景色となりました
その日の午後 前の国道の雪が 融け始めたころに
お客様がお見えになりました
80歳代のご年配のご夫妻と 運転をされる男性がお一人
作品を眺めたり 撫でたりしながら
「あ~~きれいですね」「透き通ったような美しさですね」と
感嘆の声を上げられています
掛け分けの鉢の青磁の色を覗き込みながら
「これは 素晴らしい 美しいですね~」と
繰り返されます
ご夫妻は お知り合いの男性と 長崎県にご旅行に見えられ
海の見える素敵な宿に お泊りになられたということでした
帰り際 ご主人が 夫に
「あの~ 握手をして頂けますか?」と 言われます
夫は 思いがけない言葉に 恥ずかしそうにしながらも
手を 差し出していました
「あ~~ 厚くて あったかい掌ですね もう何年
この手で 焼き物を作っていられますか?」と お尋ねになります
「もう 年数だけは50年近くなりますけど」と
頭を下げながら 夫
側にいた男性が 「この社長も 長いこと たくさんの家を建てられた建築家です
人を幸せにする家を造ってこられたのです」と
言われました
穏やかな表情と 感じたことをそのまま言葉にされる素直さと
実直なお人柄は 長年 ものを造ってこられた 人生の重みを感じました
誰かを幸せにするための ものづくり
あえて 自分の手で 造り続ける意味を
言葉を使わなくても通じ合える 手と手
二人で手を握りあっている姿は じんわり 熱いものがこみ上げてきます
遠ざかる車の窓から じっと 私達を見据え
ご夫妻で 御礼をしていかれました
さて わたしも 頑張らないと!
毎日の仕事に加え 荷を送ったり
春の陶器市に向けての準備も
すでに 町でも始まっています
能登半島の地震で なんとなく 落ち込んでいましたが
生きている この場所で しっかり 働いて
頑張らないといけないのですね
佳秀窯HP ↓
https://www.nishiyama-tadashi.c