やっと 釉薬の仕上げができて

窯積みの段階に こぎつけ

もうすこし もうすこし

夫の背中を見守り

自分にも 「頑張れ!」と 

言い聞かせて

一段 一段

積み重ねていく

 

 

丁寧に 時間をかけて 釉薬の仕上げをして

こうして 並べてみると 

なんだか 晴れ晴れして 美しい

 

1300度の高熱の炎をかいくぐって

キラキラと 白磁の光沢をまとって

生れ出てくるまで

 

なんとか 無事に生まれてきますように

祈る思いで 送り出します

 

 

火が止まるまで 何があるか 分からないのが

窯の習性

 

夏の窯の時は 窯に火を送る 

バーナー火口のひとつが割れて

途中 あちこちに 連絡を取り

心配していたけれど

影響なく 無事に きれいに上がってくれて

ホッとしたのは 夏の個展前のことだった

 

その後 業者の方に来てもらって

窯の全体をみてもらい

あちこち修正をして 臨んだ今回の窯入れ

 

 

数十年前 お師匠さんが 結婚式の祝辞を言ってくださった折に

「窯焼きは 世話焼きともいいます しっかり頼みますよ」と

言われたことを思い出します

 

 

 

今朝 窯の火が止まって ホッとした夫は

いつものように 散歩に出かけ

その帰り 「店先に 出てたから」と

真っ赤なバラを手に 帰ってきました

 

今回も お客様にお待たせしてしまって

ほんとうに 申し訳なかったのですが

どうか きれいに生まれてきてくれますように

窯上げまでの数日 祈る思いで過ごします

 

佳秀窯HP ↓

 https://www.nishiyama-tadashi.com