もう 花を付けるのは無理かな と
あきらめかけていたけど
時々 水をやりながら
こまめに 陽のあたる窓辺を選んで置いて 育てていたら
奇跡のように 春先に蕾を付け
夏の間 ずっと 楽しませてくれた 胡蝶蘭
いよいよ 名残のひとひら
枯れる前に そっと お皿に浮かせてみました
夏の個展が終わって
窯全体のメンテナンスをしてもらう事になり
しばらく 作業はお休みに
私は その間 やり残していたことがあり
しばらく 街に住む 娘のところに居ました
案外 部屋はきれいに 片付いていて
食事の用意 洗濯 掃除 買い物 などなど
一応 世話になっているので 家事らしいことをするけれど
狭いし ササっと済んだ後は
時間がたっぷり
工房と 住まいと バタバタ 駆けずりまわる いつもの暮らしとは違って
街の暮らしは 楽ちんだな~ うふふふ と 思っていたのは
最初の数日だけ・・・
クーラーを付けた部屋は 密閉し
目隠しの カーテンも きっちり閉めて
お洗濯ものも 田舎のように
お日様の下 風にたなびかせるわけにもいかず
だんだん 窮屈に思えてきます
スーパーも近くて便利だけど
つい あれも これもと いっぱい買いこんだ 荷物は
両手に 重く ぶら下がる
ペットボトルなど買おうものなら もう手がちぎれそうになる
車なら 楽なのに~
用事があって 駅に向かった日には
標識をみながら スイスイ 駅までは 行けたのに
帰路 娘の住まいの 標識は 当たり前のことだけど ナイ
え~ッと どっちだったかな~
そ~だ こんな時のための携帯のナビ
案内が出たけど 何も言わない
まあ 歩き始めてみようか・・・
頼みの 携帯は小さくブルブルと 震わせながら
ブーブー 音が出ている
そうそうと言っているのか 違うと言っているのか 分からない
画面の地図は ぐるぐる 回ってる
夫に電話すると
「建物をみないで 全体の方角をみて進みなさい」と いう
方角・・もっとわからない
こっちか? そうそう こっち こっち と
足を進めたら 見たことのある もとの駅に着いていた
笑ってしまう
これは 機械に頼るのはよそう
通りがかりの人に いつも通う スーパーの名前を言って
教えてもらう
みんな 親切に 丁寧に 教えてくださって 無事に帰宅
後で 娘と一緒に 駅まで出かけたら
なんと 2000歩も多く歩いていた
その間 さまよっていたことになる
やっぱり 車が便利
都会暮らしは つくづく 大変だと実感
高校を卒業して 大学 そして 就職 と
家を出て 街で暮らす娘
思えば 仕事や雑事に追われ
こんな風に 向き合っていられたのは はじめてだったかも・・
短い期間だったけど 久しぶりに そばに居られた
母娘の大切な時間だったように思う
有田に戻り 空を見上げると
青空が広がり 季節は 秋へと
ゆっくり 移ろいでいました
さて 窯もきれいにしてもらって
私も 忙しくなりそうです
佳秀窯HP ↓
https://www.nishiyama-tadashi.com