ボトン ボトン と 屋根から落ちる雪の音を聞いていたのは
ほんの1週間ほど前のことでしたけど
今日は ぽかぽか 春の陽気につつまれた 暖かな一日になりました
工房にも 暖かな春の陽射しが さしこんできています
今日は 小さな酒杯の削り作業です
左が削りの前 右側が削り終えたものです
酒杯は 手のひらに乗る 小さな器で
口径 高台 共に 直径が小さい器なので
削り台も こんなに高く
直径も小さくしたものを使用します
夫が削りやすいように 自分で作ったものです
サーカスの曲芸みたいに 削り台の上に ちょこんと立って
バランスをとりながら クルクル ろくろの上で回って見せます
私だったら 絶対落とすな~ と いつも思うのですが
夫は 上手にバランスをとって ろくろを回しながら削っていきます
先ずは 杯を逆さまにして 高台から 削り始めます
わずかに カーブを付けて 底が浅い深さに 削られます
ほんの数ミリの縁取りも 丁寧に きれいに仕上げていきます
ほんの小さなことですが 隅々まで 手を抜きません
高台は見えない部分ですが 隅々まで とてもきれいに仕上がっています
水拭きの時 いつも きれいだな~と
思って 拭いています
時折 指先で厚みを測りながら 手の感覚で
何回も 削りを繰り返して
バランスよく 仕上げていきます
酒杯は 特に 直接口に付ける部分で
口当たりが良くなるように
ぎりぎりまで 薄く 軽く 削りを繰り返していきます
お煎茶でも 酒杯でも
持った感じ 口当たり スッと のど越しよく流れる感触
「うまい」と 楽しんで頂けるように
ひとつ ひとつ を 丁寧に 隅々に気を使い 作っているようです
まだ まだ 緊張の 削りが続きます
そばで ちょろ ちょろ されても うるさいでしょうから
ちょっと お散歩に 出かけます
コロナ禍で スーパーへの買い物以外 どこにも出かけていません
友人と会うこともなく 寂しいものですが
近くの川沿いには 菜の花が 春の光をいっぱいに浴びています
水面のカモたちも 気持ちよさそうです
春の陽射しは 心まで 温めてくれるようです
緊張から ちょっと 解き放たれる 嬉しいひととき
さあ あの酒杯の 水拭きが そろそろ
わたしを 待っています
丁寧に きれいに まちがっても割らないように・・・ネ!!
佳秀窯HP ↓
https://www.nishiyama-tadashi.com