今日の「母の日」は 朝から 雨になってしまいました

朝 のこりの水ぶきを仕上げた後

この春 桜の満開の頃に 

逝ってしまった従兄の T兄ちゃんの法事の為に 車を走らせます

途中 道を間違えたものの なんとか会場にたどり着きました

 

 

アッ! いたいた 兄のそばに席が空いていたので

座ろうとすると

「オイオイ そこは お坊さんの席だよ」と

どこからともなく くすくす 笑い声が聴こえてきます

「さとちゃん まずは お参り お参り・・・」の声も・・・

祭壇に飾られた T兄ちゃんの遺影が笑っています

 

 しばらくして T兄ちゃんの息子の Yちゃんが

「ねえちゃんが来ると やっぱり パッ~と 明るくなるよ」と

穏やかな笑顔で 挨拶に来てくれました

「大変だったね~ でも 立派なご供養をしてくれて

ありがとうね」と いうと

 

「いや けど葬儀の翌日 もうお父さんが夢に出たよ」と

「へえ~ で どんな夢?」

「魚釣りしてた!」 思わず 噴き出してしまいました

 

従兄のT兄ちゃんは 小さいころから魚釣りが大好きで

よく川に遊びに行っていたらしいけど 釣りをするのに夢中になって

夜になっても帰らなくて 地域の消防団や近所の人が 総出で捜索してくれたという話を

聞いたことがあった

 

「翌日無事に帰ってきた時は 母親が 頬をぶっていたよ」と

まだ 幼かった 弟のEちゃんの記憶にさえ その事件は鮮明に残っていたらしいのです

 

 

その伯母は 夫を戦争で亡くした後 幼い子供4人を 

ひとりで 立派に 育て上げた後

50代でこの世を去りました

 

そのせいか 亡くなったT兄ちゃんは テレビで 親子の情愛物のドラマがあるときは

きまって タオルを握りしめながら 泣き腫らしていていました

幼かった私の目にも その姿が焼き付けられています

 

 

今頃 伯母ちゃんのそばで 心おきなく

魚釣りを楽しんでいるのかもしれません

 

 

母や 伯母の強さ  やさしくしてくれた いとこたちのこと

懐かしく思い出しながら 

受け継いでいく命の大切さ

生かされていることのありがたさを

あらためて感じさせられた 「母の日」でした

 

佳秀窯

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