気付いたら この町に嫁いで

アッ!という間の二十余年

同じ県内なのに

この町の風習は 私の生まれ育った町のとは

少し違っていました

 

 

目の前に 「???」が出るたびに

本家の姑や義姉に教えてもらいました

 

 

特に「葬」は 「???」が 多かったように思います

 

嫁いで間もなく 班長さんが「〇班の〇〇さんが亡くなられましたので

ゴボウヌキください」とお見えになりました

 

「ゴボウ抜きですか?」と私 

「いえ、五合抜きです。100円お願いします」と言われる

 

どこかの家で弔いがあると 皆で助け合うという慣習で

昔は一戸から お米を5合出し合っていたけど

今は 現物の代わりに 100円を徴収して

区でまとめて 渡されるのです

この風習は つい数年前まで行われていました

 

 

つい 先日同じ班の長老がお亡くなりになって

葬祭の飾りつけを

「昔のやり方で見送ってあげたい・・・」という

ご遺族のたっての希望が出され 班長さんから

急きょ連絡が来て 夫と揃って公民館に駆けつけました

 

「地区の事なら 何でもお任せあれ!」の 物知り重鎮に

ご指導受けながら 見よう見まねで

取り組みました

 

 

先ず 白玉粉を水で練って お団子を49個作って 串にさします

 

それから 赤い色紙に 切り込みを入れ

 

それを竹串に このように巻きつけて お花を2本作ります

作ったお花は 大根に挿して飾ります

 

右の わらの筒は 4本用意します

 

 

それから 金・銀・赤・緑 の色紙を細く切って

間に 素麺を5本ずつ置いていって のり付けをし

編み込むように折っていきます

これが 結構 手間がかかりますが

2枚作ります

 

それを 上のわらに巻きつけて 大きい灰皿に立てて

ぐらつかないように ここで家から持参した陶土で固定させます

「なんで 陶土なんです?}と 聞いたら

「有田は 焼き物の町だからよ!」と 即答です!

 

アッ!愚問でした・・・!

 

 

後の2本のわらには 白紙を巻いて その周りに

最初に作った串団子を 巻きつけて飾りました

最後に4本のわら筒の真ん中に菊を挿します

 

3時間ほど掛けて 全ての飾りが 出来上がりました

 

 

ご遺族には とても喜んでいただきました

そして おそらく 黄泉の世界に旅立たれた Bさんも

きっと 笑顔で 「ありがとう」を 

言って頂いたような気がしています