今頃 あちらの世界で 母は

どんな暮らしをしているのだろうか?

相変わらず あれこれと 

お節介を やいているのだろうか?

 

 

母が黄泉の世界に旅立って 間も無い 寒い冬の朝

父の夢の中に 母は現れて

薄いよれよれの浴衣を着たおじいさんを連れて来て

「お父さん、この人は お腹が空いているから

何か 美味しいものを食べさせて・・・」と 言ったらしい

 

「それで お母さんは どうしたの?」と 聞くと

 

父は 「そう言ったきり サッサと 自分は布団にもぐり込んで

すやすやと 眠ってしまったとよ!」と 笑っていた

 

 

夢なのに 現実のような 母らしい夢物語だった

 

その話をする 父の表情が とても嬉しそうで

夢でも 母が近くに来てくれたことが 

父を 一瞬でも 幸せな気持ちにさせてくれたようだった 

 

 

そんな母も あちらで 人のお世話に 忙しいのか

私の夢には 全く 現れない

私を 忘れてしまったのだろうか?

お小言でもいいから たまには 出てきてほしい

 

 

母が 元気な時には 言えなかったけど

苦しいおもいをして 私を この世に生みだしてくれたこと

「お母さん ありがとうね!」と ひとこと

今更だけど 伝えたい

 

久しぶりに 母に 手紙を書いてみようかと

思った 「母の日」だった