今日は 時折小雪が舞う 寒空になっています
朝から父に会いに行った帰り
お茶と温泉のある町 嬉野市の山間にある
曹洞宗 禅寺の「永寿寺」に 立ち寄りました
ここは いつもニコニコ笑顔の
同級生 かっチャンのお寺でもあります
今は お兄さんがご住職で
お堂に朗々と響きわたる良いお声で お経や講話をして下さいます
また ここには 国宝に認定された高さが約90cmほどの
木彫り不動明王とニ体の童子像 が安置されています
お不動さんには珍しい穏やかな表情から
平安時代後期の制作と言われています
昔 父はこのお寺のお世話役をしていて
母も 行事がある度にお参りをしていました
長い急な坂道を登るために 私がいつも運転手役でしたが
母は 途中歩いて登られているご老人を 次々に車にお誘いし
お寺に辿りついた頃
「まだ 登ってきている方を 引き返して 乗せておいで」と
澄ました顔で言うのです
「そこまで・・・」の言葉は 母には通じませんでした
お得意の煮豆を作ると ご近所に配ってまわり
私たちが食べるころは 鍋の底が見えていました
母のそれは 「世話好き」を越えていた様です
坂道を下りながら 何回も行ったり来たりした事を
懐かしく 思い出していました
その母も 3年前に 86才の天寿を全うし このお寺さんで
心温まる野辺送りをしてもらいました
2月の寒空の下 お堂から この坂道いっぱいに
母との別れを 惜しんで下さった参列者の方々が
いつまでも 見送って下さったのです