夫は この陶芸の道に入って40数年
まだ子供達が幼かった頃 家事、育児に追われながら
私は夫の仕事を手伝っていました。
子供を看ながらの仕事は はかどらずイライラと気が立って
水ぶきの仕事をしながらも 愚痴が口を衝いて出ていました。
そんなある日 夫は
「嫌々仕事をするなら 焼き物を触るのはやめてほしい。
家庭の中で使ってもらって 気持ちよく
幸せな気持ちになってもらうために 俺は作っている。
手伝ってもらわんでいい」と言い放った。
いつも優しい夫が
後にも先にもこんな厳しい顔をするのは 初めてであった。
あれから20年
「良い器は毎日の暮らしを豊かにします」
「ぬくもりある器で人生を楽しみたい」
そうおっしゃって頂く多くの方々に
大切なことを教えて頂きながら歩いてきました。
おねだりして頂きましたお写真の数々
夫も私も写真を覗きこみながら
「あ~~写真の奥から お二人が笑ってる顔が見えてくるようだ」
「楽しんで 上手に使ってもらっているなあ」
とても幸せな気持ちになっていました。
窯から生まれた作品たちが それぞれのご家庭で
とても幸せそうに笑って見えました。
あの時の夫の言葉が蘇ります。
作品を通して いろんな方とお知り合いになれ
夫もまた 新しい制作への意欲へとつながっていきます。
楽しいことも 辛いことも 悲しいことも 色々ありますけど
来年も 色んな事に向き合いながらも 穏やかな気持ちで仕事に
向き合っていきたいと思っております。
拙い文章でブログを綴り始め 多くの方からメールやお電話で
お励ましやご協力を頂きました。
本当にありがとうございました。心より御礼を申し上げます。
皆さま どうぞ 佳いお年をお迎えくださいませ。
来年も お写真共々 どうぞよろしくお願いいたします。