個展が終わって 間もなく一ヶ月になろうとしている。桐箱や作品を送ったりする諸々の作業が終わって気分も少し落ち着いてくる。

夫は少し身体を休めた後 制作を始めている。私は個展に来て下さった方々にお礼状を書き始める。

        フィカス・ベンジャミン バロック(クワ科 インド原産)

 個展は新しい作品の数々を覧て頂くのが目的ではあるけど 会場に来て頂く方々との再会や新しい出会いの楽しみがある。

元々商家に生まれ育った私は 人と出会うこと 楽しいおしゃべりをすることが 大好きだ。

懐かしいお顔を拝見しながら ご家族のこと 旅の思い出 お花や 料理 パソコン 写真 etc.話に引き込まれていく。

今、会場での楽しかった会話を思い出しながら お一人お一人にお礼の言葉を書き綴っている。

私は他の世界のことはあまりよく知らないけど 白磁や青磁をお好きな方は とても心が暖かく優しい方が多い。私は個展会場や我が家にお出で頂く方々と接してそう思う。

        オンシジューム 

時々 会場で作品に触れられるときに 指輪をそっとはずされてバッグやポケットにそっとおさめられるご婦人がいらっしゃる。

焼き物が傷つかないように さりげない気遣いをして頂いているのだ。「大丈夫です。どうぞそのままで・・・」と声をお掛けしようと思いながら

器を両手で包み込むようにして覧て下さっているその姿が あまりにしなやかで美しく つい見とれてしまって いつも声をかけそびれる。

       アンスリウム

それは女性しか持たない美しさであり強さにも見える。 

その姿を見ていて 私はふと 女性は大切なもの 家族や恋人や思い出など こんな風に両手でしっかり包み込みながら 守り続けているのかもしれなあと思えてきた。 男性のそれとはまた違うもののように思える。

皆さんとの会話や表情の一つ一つを思い出しながら 多くの方から 色々な事を 教えて頂いた個展だったなあと思いが深くなっている。

ご来場いただきました お一人お一人に 改めまして 御礼を申し上げます。