午前中 窯の内外を丹念に清掃し 午後から 窯を積み始める。小物が多いので 隣につかないようにハマにきちんと乗せ 焼き物を最小限手に少なく持って 積んでいく。
積むのに4時間くらい要した。 窯の無事を祈り 厚い扉を閉じて 火をつける。
本窯は 丸一日かかるので 昼間の明るい時間に なるべく 夫を 寝かせて 1時間おきに 起こす。
窯が入ると 窯から 離れられない。 途中で窯が切れることもあるし 土砂降りの雨で落雷による停電も心配だ。 本窯は 数分でも止まると 数か月かけて制作してきた作品が 一瞬にして ダメになる。
夜、夫を寝過させると 大変なので 私は 緊張だ。
先日 たまたまBSで観た 映画「かもめ食堂」が とても面白く 素敵で 特に小林聡美さんが 井上陽水の 「カーネーション」の曲に合わせて スーッ とプールで泳がれる 情景がとても美しく 忘れられない。
早速、監督 荻上直子さんの著作 「モリオ」を この日のために 求めていたので 読み始める。これも、映画に負けないくらい 面白く 読み進む。
夜中2時半 夫と 交替して 私が 朝まで床に就く。
朝、 台所に立つと また あの鷺が 来ている。
「もう少し 私を 上手に 撮ってくださらない」と 澄ました 顔で 言っている。
「ちょっと、まって。 すぐに カメラを だすから・・・」
「前より、ちょっと ましかなあ?」
「まあね。 次は 飛んでいるところよ。わかった?」 と
言い捨てて どこかへ 飛んで行ってしまった。