今やっと素焼きの後の水ふき仕事が終わる。作品の一つ一つを水を含んださらしできれいにふきあげる。
これから夫は、釉薬をかける仕事にかかる。大変だけど仕事になると目が輝いている。
私は、先に休ませてもらう。
この季節になると、義父のふき煮しめを思いだす。私が工房の仕事に追われて「今日は、まだ買い物もしてないのに何しようかな・・・」と思案していると「ほら、食べんさい」と鉢いっぱいにふき煮しめを持ってきてくれた。義父の煮しめは本当においしかったなあ。
仕事に追われる私を助けてくれる優しい義父だった。
元々、私は料理が苦手で、結婚当初夫はうどん、おそば、スパゲティ
そうめん、焼きそば、ラーメン、とずっと麺類が続いたという。私には全く記憶がない。
覚えているのは、毎日3食何をしたらいいのだろう重く苦しかったことだけだ。
実家の母は「料理は丁寧に丁寧に作らんばよ」といつも言っていたけど、家業の商売が
私は大好きで接客や配達に明け暮れ料理はほとんどしていなかった。
今となっては、母からちゃんと教わっとけばよかった反省ばかり・・・。
数少ないレパートリーが終わると、私は近くのスーパーのおそうさい売り場の前に立って安くて美味しいそうなおそうさいはどれかな?
「お客さん、今夜の夕食は何にしますか?」
「エッ?」
振り向くとにんまり笑っている夫がいた。
ああ~~、バレていたか!
今夜じいちゃんのふき煮しめを再現して作ってみた。じいちゃんの煮しめにはとても及ばない、やっぱりじいちゃんの煮しめをもう一度食べたいよ~~!